- 2014-03-31 (月) 18:10
- お知らせ
明日から4月を迎えますね。あと3ヶ月程すれば、ラダックでダライ・ラマ法王によるカーラチャクラ灌頂が執り行われます。日本からも参加を予定されている方々がたくさんいらっしゃることでしょう。
レー(正確にはチョグラムサルにあるジウェツァル)でカーラチャクラ灌頂が行われるのは今回が2度目で、1度目は38年前の1976年に行われました。1988年にはザンスカールにて行われています。
今回で33回目となるダライ・ラマ法王14世によるカーラチャクラ灌頂を間近に控え、簡単にその概要をまとめてみました。
【カーラチャクラ灌頂とは】
カーラチャクラ灌頂とは、カーラチャクラの教えを受ける前に授かる入門儀礼です。一般には、密教の法流を学ぶ前に授かる灌頂を受けるには多くの規制があるのですが、この灌頂においては他の密教の灌頂とは異なり広く大衆に公開されています。それはこのカーラチャクラの教えが「世界平和への方便」とされているからで、法王はこの灌頂を世界で授け続けていらっしゃいます。
チベットで取り入れられた密教はインドから伝わりました。インド密教は発展段階に従って前期、中期、後期と分類されるのですが、カーラチャクラ経典は後期密教経典のなかでも最後期に成立したものです。そのためこの経典は“インド密教の総決算”とも表現され、その最奥義を伝えるものとされています。
カーラチャクラ灌頂は、仏教・密教を学んでいる方々や修めている方々、チベット仏教圏に生きる人々にとって大変重要な儀式であることはもちろんですが、仏教を詳しく知らないという方々にとっても、法王のお人柄、僧侶たちの舞踏、前行法話、美しい砂曼荼羅、会場の雰囲気などに触れることで、有意義な時間を持たれる機会となることでしょう。
ところで、カーラチャクラの砂曼荼羅は1995年に渋谷のワタリウム美術館でも制作されたことがあります。この美術館で開かれた『こころ・医・チベット展』という展覧会でのことで、私も当時行かせていただきました。ダライ・ラマ法王が来日され、講演会や握手会なども行われました。カーラチャクラの砂曼荼羅は灌頂では通例完成後に公開されるものなのですが、この展覧会では、ナムギャル僧院の僧侶たちが時間をかけて鮮麗な砂曼荼羅を作り上げていく過程を間近で見させていただくことができました。砂曼荼羅は最後に崩され、川に流されます。その展示会での曼荼羅の砂は、隅田川に流されました。バスが数台用意され、たくさんの人と隅田川まで砂を流す儀式を見に行ったことを憶えています。灌頂の期間に完成され、そして壊される砂曼荼羅。砂曼荼羅を壊すという行為は「すべては無常であり、空である」という仏教の根本的な教えを表現しているそうです。今回の灌頂でも、その儚い美しさは多くの人々に感動を与えてくれることと思います。
【灌頂スケジュール】
7月3日から14日の儀式のなかで、灌頂伝授自体は7月10日から13日に執り行われます。7月3日から5日は、ダライ・ラマ法王とナムギャル寺の僧侶、高僧の方々により、灌頂のために必要な地鎮祭と準備の儀式が行われます。これには砂曼荼羅の制作も含まれています。7月6日から8日は、ダライ・ラマ法王によって前行法話を行われます。今回の法話は、ナーガールジュナ(龍樹)の著作である『友人への手紙』に基づくものです。この法話は「加行(前段階の修行)」となるもので、灌頂を受ける前に仏教の基礎を身に付けるためのものです。7月9日は、ナムギャル寺の僧侶たちによるカーラチャクラの宗教舞踏が演じられます。7月10日から13日は、法王によりメインであるカーラチャクラ灌頂伝授の儀式が執り行われます。灌頂伝授では、「水の灌頂」「宝冠の灌頂」「絹リボンの灌頂」「金剛杵と金剛鈴の灌頂」「行動の灌頂」「名前の灌頂」「許可の灌頂」が授けられ、続いて「4つのもの(真言、目薬、鏡、弓矢)を授ける儀式」と「金剛阿闍梨の灌頂」が授けられます。最終日の7月14日には、法王のご長寿を祈願する儀式が行われます。www.dalailama.com/teachings/schedule
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